日本酒「敷嶋」は愛知県半田市亀崎町で造られています。港町でもあった亀崎は海に面しており、敷嶋を醸す酒蔵、伊東株式会社も海のすぐ近くに建っています。
仕込み水に用いている豊富な井戸水は、ミネラルを多く含み、酵母の育成にも良い影響を与え、敷嶋独特のキレの良さをもたらしています。 旨味があり、力強い味でありながら、すっとキレの良い旨さ。
毎日飲んでもそのたびに“でら旨い”(=名古屋弁で「とっても美味しいの」意)と感じて頂けるようなお酒造りを心がけています。
「食の時間」の価値を上げる
目指すは俗にいう「食中酒」。食事の味を流すだけでなく、しっかりと受け止め、口の中で食事とお酒が合わさることにより味を昇華する、そして次のお酒、次のご飯に手が伸びるような酒を目指しています。そのためにお米をしっかりと溶かして食事の味を受け止められるだけの厚みを出しながら、上質な酸、そして良質な仕込み水に由来す るミネラル感で〆るお酒を造っています。
忙しない日々の生活の中でも、色鮮やかな瞬間はあります。その瞬間が食事の時であり、敷嶋がその隣に寄り添っていられるならば、お酒造りをする者としてこれほど幸せなことはありません。
清酒『敷嶋』のブランド一新、一度は途絶えた江戸時代以来の流れが復活
21 年ぶりの復活の歩み 0 歩目→ 半歩目 → 一歩目 2021 年本拠地での新たな第一歩
かつて50余の酒蔵で栄えた愛知県半田市亀崎の地。天明8年(1788年)創業の銘酒『敷嶋』は、数ある亀崎の酒蔵の中でも一目おかれる存在でした。しかし創業から212年目の2000年、日本酒需要の低迷により一度は廃業の運命をたどります。現9代目当主の伊東優は、祖父の死をきっかけに、江戸以来の伝統を受け継ぐ自身の使命を痛感。脱サラして酒造りの道へ飛び込むという、無謀ともいえる挑戦の結果、亀崎の地で『敷嶋』の酒蔵を復興させました。
令和3年(2021年)、多くの皆様のさまざまなお力添えのもと、創業の地、半田市亀崎町で酒蔵復興を果たした『敷嶋』。 再出発に挑戦するにあたり、現9代目当主の胸には、もう一つの秘めた願いがありました。
「酒蔵復興が叶った暁には、その勢いを『敷嶋』の蔵のみにとどめず、地元亀崎を盛り上げたい、かつての街の賑わいを取り戻したい。」
その実現の一端として、かつて『敷嶋』を醸していた旧酒蔵をはじめ敷地内の複数の建造物が、文化財として登録されることが叶い、今後はそれらを活用して街の活性化にも取り組んでいきます。